女性外来Q&A

よくある質問

Q

ホルモン治療は、閉経前と閉経後では治療が違うのはなぜでしょうか? 長野県/女性 38歳 家事手伝い

A

閉経前は卵巣からエストロゲンが出てきます。
これは排卵時に高値をしめし、その後にエストロゲンが排卵前より高値となって持続します。
これにより乳房のはりが出現します。
閉経後は副腎という腎臓の上の小さな臓器からアンドロゲンという男性ホルモンを産生しておりますが、脂肪組織からアロマターゼという酵素がでて、エストロゲンに変換致します。
なので、閉経前の治療は、卵巣に刺激するホルモンを押さえる薬が使われ、閉経後はアロマターゼを阻害する薬が使われます。
なので治療がかわってくるのです。

Q

乳頭から分泌物が出るといけないといわれていますが、本当でしょうか? 東京都/匿名希望 41歳

A

乳頭から出る分泌物はすべてが異常な物ではありませんが、血液が混じったような黒っぽい乳汁が出るときは、乳腺外科に行く必要があります。
そこで乳汁の細胞の検査をしていただき、悪性でないことを確認してください。

Q

乳がんの治療はいつ終わるのでしょうか。 埼玉県/匿名希望 35歳 OL

A

乳がんの治療には発見してからの早期の治療法(手術、放射線、化学療法、ホルモン療法)がありますが、この治療が終わったからといって乳がんの治療が終わった訳ではなく、治療でおさえられていた乳がん細胞がその後発育し、再発することもありますので、経過観察を含めた検査期間は必ず1年に1ないし2回必要と思います。
その時点にて再発がなかったとしても、後日再発をみる場合があるからです。私の経験からも10年以内に再発した人がけっこういらっしゃるので(人によっては30年後に再発した人もいます)、担当の先生がいいですよといったとしても、ご自分で意識して経過観察は予定して頂きたいと思います。

Q

乳がんはどうしても切らなければ行けないのでしょうか。 神奈川県/匿名希望 39歳 家事手伝い

A

乳がんは以前では沢山切ってがん細胞をなくす方がよいという考えで、どんな小さな物でも大胸筋を含む、拡大乳房切除術を行ってきました。
しかし、年代ごとに切除範囲は縮小傾向にあり、2000年以降では乳房温存手術が全体の手術の半数以上となっています。
また、日本では宮崎県にあるブレストピアで行われているのですが、超音波で腫瘍を破壊してしまい、手術しないで直す治療の研究が進んでいます。
今後遺伝子治療が進んで切除しなくても直せる時代がくるかもしれません。
しかし、現在はまだ腫瘤切除は治療の重要な一治療法であり、切除した方がいいと考えます。

Q

お尻のできものでイボ痔と切れ痔の違いについて教えてください。 東京都/匿名希望 36歳 営業職

A

お尻にできる痔という人間のみに使われる言葉です。
二本足で歩行をするようになったために、肛門の血管のうっ血や閉塞によりおこるものをいいます。
その呼び名も多数あり、内痔核、外痔核を『イボ痔』といいます。
これは簡単にいえば動静脈叢といって動脈と静脈が沢山ある場所が、ストレス、食生活、習慣などで便秘や下痢などの肛門に刺激を与える状態が続き、血液の流れが悪くなって血栓といわれる血液の塊ができたものをいいます。
内痔核は肛門というよりは直腸にできるイボ痔で、出血はしますが痛みはありません。
また外痔核はお尻の一番下にできる動静脈叢の血栓で、痛みは激しい状態となります。
『切れ痔』は肛門の粘膜が硬い便で裂ける状態で、出血と痛みを伴います。どんな状況であるかは自分ではわかりにくいので、症状があった場合には外来受診して検査を受けてください。